「今宮神社」(いまみやじんじゃ)は、鎌倉幕府初代将軍「源頼朝」とゆかりのある神社です。主祭神として祀っているのは「事代主神」(ことしろぬしのかみ)と「大国主神」(おおくにぬしのかみ)で、心願成就、縁結びをはじめとした様々なご利益を授かれます。また、指定無形民俗文化財の他に市指定の天然記念物もあるなど、由緒ある古社のひとつ。「今宮神社と源頼朝」では、今宮神社の概要、ご利益、見どころの他、源頼朝との関係と逸話などを解説します。源頼朝が源氏再興を果たす際に、今宮神社がどのようにかかわったか、より理解を深められるはずです。
今宮神社で祀られているのは、事代主神と大国主神の2柱。事代主神は「恵比須」、大国主神は「大黒天」と同一視され、福の神としての性質も持つ神。その関係で、今宮神社は「今宮えびす」とも呼ばれています。
さらに、鎮座している地で源頼朝が再起を果たしたことから、心願成就のご利益も授かれるとも言われています。
今宮神社の見どころは、境内にある「社叢」(しゃそう:神社の森)と御朱印です。社叢は、樹高33mにもなるクスノキのご神木にくわえ、タブノキ、ラカンマキ、イチョウなど、20m以上の樹高を誇る、合計46本の樹木で形成。大樹の多い社叢は、熱海市により、1977年(昭和52年)に天然記念物として指定されました。なかでもクスノキは、「引き寄せ御守り」として、今宮神社の御守りにもなっています。また今宮神社は、個性的かつ種類豊富な御朱印でも有名。源頼朝が描かれた「源氏再興祈願」の御朱印、主祭神の恵比須様を描いた御朱印などが授かれます。
源頼朝
源頼朝は、1159年(平治元年)に起きた「平治の乱」(へいじのらん)によって、伊豆国(いずのくに:現在の静岡県伊豆半島)へ配流(はいる:島流しの刑)。およそ20年間を伊豆国で過ごしました。そのため、周辺地域には、源頼朝とゆかりのある場所が多く残されており、今宮神社もそのうちのひとつとされます。
源頼朝は伊豆国へ配流されると、豪族の「伊東祐親」(いとうすけちか)、「北条時政」(ほうじょうときまさ)の監視下のもとで過ごすことになります。しかし、伊東祐親に命を狙われていることを、息子の「伊東祐清」(いとうすけきよ)から聞いた源頼朝は、山中に入り「伊豆山権現」(いずさんごんげん:現在の伊豆山神社)を目指しました。
しかし、伊豆山権現へ逃れるには「多賀山」(たがさん)を越えなければなりません。山越えで力尽きて諦めかけたときに、源頼朝は、清らかな湧き水を発見します。湧き水によってのどを潤すと、麓(ふもと)に見えた大楠の下の社に、成功開運を祈願して再起。無事に追手から逃れることに成功したと言われています。この「大楠の下の社」が現在の今宮神社です。この逸話により、今宮神社は心願成就のご利益もあるとされています。
今宮神社が伝える、指定無形民俗文化財の社殿神楽には4種類の舞が存在。
このうち「剣の舞」で用いる太刀は、源頼朝が寄進した物と言い伝えられています。源氏再興を果たした源頼朝が今宮神社へ社殿造営とともに太刀を寄進しました。
今宮神社の施設情報 | |
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所在地 | 〒413-0028 静岡県熱海市桜町3-29 |
拝観時間 | 自由(御朱印は11:00~16:00) |
電話番号 | 0557-81-4232 |
定休日 | なし |
拝観料 | なし |
駐車場 | なし(近隣に有料駐車場あり) |
交通アクセス |
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公式サイト | なし |